だから。
俺はとーこちゃんのことは他のクラスメイトよりかは良く知っていたかもしれない。
けれどそれは、本当に些細なことで、例えばとーこちゃんの学生時代の間抜けな失敗談だったり、おかしな勘違いだったり、そんなしょうもないことばかりで。
俺はあんな、とーこちゃんは、知らない。
とーこちゃんはいつも穏やかにその童顔で笑っていて、生真面目でちょっと天然。
けれど、なんとなく一生懸命で、その小柄な身体から発されるパワーはいつだって、明るくて、優しくて。
みんなにとーこちゃんって呼ばれてるのが、よく似合う。そんな先生。