「片瀬くんには、あたしの関係ないところで幸せになって欲しいなぁって思うようになったの。
そう思うようになる前にね、あたしが仕組んだことだから。
仕組んだって言う語弊あるんだけど、そうなっても言いやって思って、あえてうちの生徒たちがよく遊んでるような繁華街で遊んでたし、片瀬くんとも特に人目を忍ばないで、会ってたしね」


だから、片瀬くんが気にすることじゃないんだよ。
にっこりと微笑んで見せても、片瀬くんはひどく硬い表情のままで。


「……俺はもう、先生が隣にいなかったら、きっと幸せになんてなれないよ」

「片瀬くん……」