「死のうと思ってた頃もあるんだよ?
でもね、昔、あたし片瀬くんと会ったことあるって言ったでしょう?
中学生の頃だな、片瀬くんが朋久先輩の家に居候してすぐぐらいの頃だよ、たぶん。
片瀬くんね、あたしのこときれいだって言うから。なんか死にたくなくなっちゃって」

「……先生」

「その後もねぇ、ふらふら生きてたんだけど、やっぱりしんどくて。じゃああたしを引きとめた片瀬くんに引導、引き渡してもらおうかなぁなんて考えたんだけど、だめだねぇ。
片瀬くんの笑顔見てたら、片瀬くんにはあたしのところまで堕ちてきてほしくなんてなくなっちゃったんだよね」

「先生、俺は」