「俺が一緒に落ちれないから、駄目なの?」

「違うよ。そうじゃなくて、うーん、なんていえば良いかな。
あたしは、はじめは片瀬くんと一緒に堕ちるところまで堕ちちゃいたいなって、確かに思ってたんだけど。それがもったいなくなっちゃったんだよね。
例えあたしがひとりでも、片瀬くんには堕ちないで欲しい。笑っていて欲しい。そう思うようになっちゃったの」

「じゃあ尚更!俺と一緒にいて、それで幸せになろうよ!
今はまだ無理かもしれないけど、でも絶対俺が先生を絶対守るのに」


やっぱりあたしはただ曖昧に笑った。

必死な片瀬くんの顔が、すごく可愛いと思う。
それは愛おしいという感覚にも、きっと似ていて。