かたかたと小さくテーブルが震えていた。

ぎゅっと力を込めて片瀬くんは拳を握り締めていて。
一度だけ俯いて、あたしの足を見て、またまっすぐな視線をあたしに向けた。


「俺は先生が安心して、笑顔になってくれるところがあるなら、例えばそこがこの世の終わりでも良いと思ったんだ。本当に。
でも、俺はやっぱり、先生には生きて、普通に笑顔でいて欲しいよ。だって、俺は先生が好きなんだ」

「片瀬くん」

「ひとりで寂しくて堕ちれないんだったら、俺と一緒に苦しくても生きてよ。俺の隣にいてよ、先生。俺は子どもだし、先生のすべてなんて、きっとわかんない。
でも、先生を抱きしめることぐらいは、俺だって出来るし、先生にちょっとでも笑顔をもたらすことぐらいは、きっと俺にも出来るんだ」