「身長も高くて、男前だし。大人だし。何より先生を好きなんだろうなぁって、写真から幸せそうな雰囲気が出てきてる」

「……確かにその頃は、一番幸せだった頃の写真だからね」

「でも先生は、その人の所為で壊れそうに鳴っちゃうぐらい、ミナトさんのことが好きだったんじゃないの?」


片瀬くんはじっと真っ黒の目で、あたしを見る。
吸い込まれそうになりながら、あたしは曖昧に笑った。

違う。ただあたしは自分が可愛かっただけだ。


「ミナトさんのことがあって、幸せになんてもうなりたくないって思った?堕ちていきたいって思った?
だから、俺の相手をしてくれたの?」