あたしの部屋には数枚、男物の着替えが常に置いてある。

それはたまに自分の部屋でセックスをしたときだとか、そのまま泊まらしたときだとかに貸したりするもので。

それを片瀬くんに着せるのは抵抗がなかったと言えば嘘になるけれど。
でもそれも、あたしだから。


お風呂場から出てきた片瀬くんに着替えを渡して、(ちょっと片瀬くんはいやそうな顔をしてたけど。何を想像したかはわかんない)あたしはそのまま台所に立って沸かしていたお湯をマグカップに注いでティーパックを入れる。


もうすぐ7月だといっても、雨の降る夜は肌寒い。
なにより、あったかい飲み物は、心を落ち着けてくれる。