だって、これもきっと。柳さんの仕業なんだろう。

あの綺麗な女生徒はあたしと片瀬くんが会っているとことを見ていたのだ、たぶん。
彼女があの日、写真部のミーティングを突然欠席したことは、朋久先輩に確認済みで。
そしてあの子はうちの部でも珍しい類の高性能の望遠レンズを持っていたから。

条件だけでいけば、柳さんはあの写真を撮れて、理事長に送りつけることが出来る。
そして、それをする理由がある。


あたしはやるせない気持ちのまま、立ち上がって冷蔵庫へと足を向けた。

中身のほとんど入っていないそこからミネラルウオーターを取り出して、愛用のマグカップへと注いで一気に飲み干すと少しだけ気持ちが浮上できた気がした。