かわいそうなことを、している。
ぞくりと、背筋があわ立った。
あたしと同じところまで堕ちてきて欲しい。
早く早く。
そう考えて、あたしは動いてきていた。
それが、今の結果だ。
なのに今それが、ひどく罪悪感がある。
片瀬くんには、幸せでいて欲しいなと思う。
例えあたしが独りでも。
それはひどく想像すると寂しくて仕方がないんだけれども、でもそれでもだ。
ああ。止めてくれないかな、朋久先輩。あたしを早く。
だって、もう。あたしは自分では止まれそうにないの。
それがどういう感情なのかは、今はまだ認められそうにはなかったのだけれど。