「人を探してるんだ。……とーこちゃんなんだけど」


少し、とーこちゃんの名前を出すのはためらわれたけど、背に腹は変えられない。
案の定、携帯電話から、米倉の素っ頓狂な声があがった。


「えぇ!?なんで、とーこちゃんをお前が探してんの?しかもなんで、ここ!?」

「うっせーな。朋兄に頼まれたんだよ!」

「あ、ああ。南先生ね。
ってか。それにしてもなんでとーこちゃんがここにいるんだよ。しかもこんな時間の……」


ここ。

俺たちの地元の繁華街。
少し横道に逸れれば、客引きのホストがいっぱい立っていて。