昔ヤンキーにいぢめられてた事―
ヤンキーが恐くていつも泣いて逃げてたこと。
ある日父の転勤で姉貴と夕美は転校することになって、それをきっかけに"地味子"を消して"ヤンキー"になった。
心はあのときのまま『シンデレラ』で―…。
夕美は途切れ途切れ泣きながら話してくれた。
『シンデレラ』――。
灰だらけの少女って意味だったんだ。
俺は童話系とか
まぁ読者しやんから
知らなかった。
すべて打ち明けてくれた事が俺は嬉しかった。
「全部話してくれて、おおきにな。」
俺は思わず夕美をぎゅっと抱きしめた。
「あ―…おむ?」
夕美は俺の胸の中にすっぽりと埋まった。
暖かくて―。
「青夢…、あたしいぢめられっ子だったんだ。」
「うん―…。聞いてたよ」
「じゃあ何であたしを抱いてるの?」
「夕美が可愛いからに決まってるやん。」
「地味でブサイクで暗いよ?」
「地味でもブサイクでも暗くもないやん。」
「あたしを嫌いにならないの?」
「ならないよ。」
・