『瀧』という人は見事にあたしの目の前で止まった。


ひいぃぃ―…!
謝るから何もしないでよぉっ!!(って何を謝るんだよ!)



「へえ―…、てめぇが言ってた、転校生かぁ。」


にやりと口端を釣り上げる。



怖いよぉ―…
助けてよ!!


先生とか見てみぬフリだしっ!!







あれ、でも待って―…



『瀧』って人…
あたしより身長低い?




てか低くても高くてもどのみち怖いことには変わりないんだけど(汗)



両耳にピアスがやばいほどついてある。

こんなの完璧なヤンキーぢゃんっ!




「何じろじろ見てんだよ―…?」




あ、でもよく見てみるとそこまで怖くないかも…

なんか犬?みたいな感じ。

メッシュの髪にピアスに制服がだらしないだけで、よく見ると声も高いし身長も低いし―…


犬と子供のヤンキー化?みたいな―…



「あの―…瀧さんですよね?」


あたしは恐る恐る口を開いて訊いてみた。


「あれ、俺のこと知ってんの?」


あれ?
すごい!

話が通じる!!(笑)



「もちろん、ヤンキーがヤンキーの名前知らなくてどうすんのよ?」


あ、あたし今ヤンキーになった。



「お前上出来。」

と言って瀧って人は笑ってあたしの頭をくしゃくしゃっと撫でた。

あれ、思ったより優しいかも―…

「おぉ!すげぇ、あの転校生!瀧さんに気に入られてる!」



そんなことは耳に入ってないかのように瀧って人があたしに訊いた。