「分かったぁ」

「じゃ、また明日な」



そういって青夢は帰った



あたしは青夢を見送ると家のドアに鍵を通した



ガチャ―――



ドアを開くと玄関があってそこには姉貴の靴があった



お父さん、まだ帰ってきてないんだ―…



「あ―…!!夕美!!」



姉貴のいきなりな声にあたしは相当びびった



あたしは「何―!?」って言いながら靴を脱いでリビングへと向かう




ヤンキーになる前まではあたしと姉貴は一切喋んなかった。

ていうか姉貴があたしが"妹"っていうのが嫌なんだと思う


でも今になったら豆知識とかおしゃれの仕方とかで結構盛り上がってたりして。



「今のバイクの子誰―?」

姉貴はニヤニヤ笑う


あたしは近くにあったソファーにトスンッと思いっきり座った


「さぁ―…」


「イケメンじゃぁん!!」



イケメン―……


そういえばそうかも。



初めは"ヤンキー"っていうだけがみんな怖くて…


だけど慣れると何も思わない



でももしあたしが"元いぢめられっ子"ってバレたら?


みんなはあたしを避ける?



「彼氏?彼氏?」





端で姉貴がつべこべと突っ込んで来る


まぢでうっとうしい。



でも―



あたしをヤンキーに成り立ててくれた本人だし


仕方ないよね。



「あんたヤンキーデビューしてからもてるようになったね?」


姉貴は机にあった酒を一口飲んだ


「そうかなぁ――」



実は髪を巻いてくれたのも


制服をヤンキー系に改造してくれたのも


ヤンキーの口調教えてくれたのも



ぜ―んぶ姉貴のおかげなんだ。



「あんな地味子が今となってヤンキーになったとは笑っちゃうよ」


姉貴は笑った


「あたしもこんなに友達出来るとは思ってなかったよ」