「おい、シンデレラ。」


『シンデレラ』とは灰だらけの少女。という意味。
それはいつしかあたしの呼び名となっていた。


「金貸せよ。」

「うぜぇよ、お前。」

「暗いし、不気味。」




秋野川 夕美(アキノカワ ユウミ)
今年の春不良高校に入学してしまった。
周りはあたし以外全員不良とかギャルばっかりで地味なあたしはつい目をつけられてしまった。





いぢめられてるあたしは不気味で暗くてブスで、いつしか『シンデレラ』という名前になっていて心も体も毎日汚れていった。





毎日逃げた。隠れた。泣いた。



もう絶えられない―…。




そんなある日



唯一の家族父と姉の中の父が仕事で転勤することになった。



姉は「えぇ〜!?あたし今の生活気に入ってたのにぃ。」と長い金の髪を人差し指で巻ながら言っていたけど…

あたしは嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。



やっと逃げれる―!

やっと解放される―!

『シンデレラ』とはおさらば―…

















髪を金髪に染めて巻いてみた。
真新しい制服も不良並みに整えてみた。


もう舐められないように





あたしの新しい人生のスタート。