幼馴染みである女の子から、恋
人として付き合ってほしいと言
われ、正直陽介は驚いた。
確かに綾は可愛いと思う。
女性としての魅力もあると思う。
「・・・・悪い。俺、好きなやつい
るから」
そういうと彼女は苦笑しならが
頷いた。
彼女はさっぱりした性格であっ
た。
本当は断られるって思ってた、
と微笑する彼女にとって本当に
幸せな相手が見つかるといいと
確かに陽介はそう思った。
その時は、本当にそう思ってい
たのだ。
・・・・・・だが。
想い人の心が綾に傾いていると
知ったとき、自分でも信じられ
ないぐらいの嫉妬と得も知れぬ
高揚感に陽介は襲われた。
その理由が、失恋の相談をされ
たときに、などというものだっ
たのだ。
陽介は憎しみと同時に貪欲に相
手を求めている自分に気がつく
。自虐的にすらなった。
浩次は、どんな風に綾に触れる
のだろうか。
綾は、どんな風に浩次を受け
止めるのだろうか。
浩次はどんな風に抱きしめる
のだろうか。
どんな風に唇を寄せるのだろう
か。
どんな風に・・・・愛してくれる
のだろうか・・・・。
陽介は殴られた頬に当てた手を、
そのまま自分の首筋に移動させ
た。
そして顎にもってくる。
親指をたて、己の乾いた唇にそ
っと這わせる。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
この唇に、触れることのないぬ
くもり。
それを求めてしまう己の欲望が
憎い・・・・・・。
「俺を・・・・愛してくれ・・・・」
どうか・・・・・
どうか・・・・・・
「俺を愛してくれ、浩次・・・」
陽介は、己の欲望を心の奥深
くにしまいこんだ。
了
人として付き合ってほしいと言
われ、正直陽介は驚いた。
確かに綾は可愛いと思う。
女性としての魅力もあると思う。
「・・・・悪い。俺、好きなやつい
るから」
そういうと彼女は苦笑しならが
頷いた。
彼女はさっぱりした性格であっ
た。
本当は断られるって思ってた、
と微笑する彼女にとって本当に
幸せな相手が見つかるといいと
確かに陽介はそう思った。
その時は、本当にそう思ってい
たのだ。
・・・・・・だが。
想い人の心が綾に傾いていると
知ったとき、自分でも信じられ
ないぐらいの嫉妬と得も知れぬ
高揚感に陽介は襲われた。
その理由が、失恋の相談をされ
たときに、などというものだっ
たのだ。
陽介は憎しみと同時に貪欲に相
手を求めている自分に気がつく
。自虐的にすらなった。
浩次は、どんな風に綾に触れる
のだろうか。
綾は、どんな風に浩次を受け
止めるのだろうか。
浩次はどんな風に抱きしめる
のだろうか。
どんな風に唇を寄せるのだろう
か。
どんな風に・・・・愛してくれる
のだろうか・・・・。
陽介は殴られた頬に当てた手を、
そのまま自分の首筋に移動させ
た。
そして顎にもってくる。
親指をたて、己の乾いた唇にそ
っと這わせる。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
この唇に、触れることのないぬ
くもり。
それを求めてしまう己の欲望が
憎い・・・・・・。
「俺を・・・・愛してくれ・・・・」
どうか・・・・・
どうか・・・・・・
「俺を愛してくれ、浩次・・・」
陽介は、己の欲望を心の奥深
くにしまいこんだ。
了