こうやって付き合ってみてはじ

めてイロイロな事がわかってき

たんだ。





浩次はそう言った。

確かにいくら親しい間柄といえ

ど、実際特別というポジション

にたった場合見方が変化してく

る。

自然新たな発見もあるだろう。

陽介はそう言おうと、口を開

いた。

だが、

「よくわかるんだ。本当に綾が

おまえのことを好きだったんだ

って事が・・ちょっとつらいぜ?」

そう言われ、思わず沈黙する。

だがそんな陽介を見て浩次は苦

笑した。

「んな顔するなって。だからど

うこう言う訳じゃねぇよ」

たださ・・・、と彼は続ける。

浩次はピタリと歩調を止めた。

そして傍らの陽介をみる。

「・お前、本当にいいのか?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・お前が嫌だって言ったら・

・・・」

陽介は浩次に睥睨をかえした。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺がや

だって言ったらお前ら別れるの

かよ?」

浩次の切れ長の瞳が一瞬ゆらめ

く。

陽介は自分よりも少しだけ高い

位置にある浩次の双眸を見つめ

た。

「お前ら、そんな軽い気持ち

で付き合ってんのか?」

「・・・・・・いや」

「なら聞くな」

陽介は視線をはずし歩き始めた。

苛立ちと悲しみを振り切るよう

に少し乱暴に歩く。だがその腕

をとられた。

「待てよ」

「んだよ?」

力強く引かれたせいで陽介の肩

まである髪が乱れる。

浩次はその瞳をのぞき込んだ。

「陽介・・・・綾は、まだお前の事

が好きだぜ?」

「!!」

次の瞬間、陽介はもくしょうの

間にある浩次の胸ぐらを掴みあ

げていた。

「だからなんだよっ? だから

俺にどうしろって言うんだよ

?!」

「陽介! お前だって綾が!」

「ならお前から綾を奪えばいい

のか?」

陽介は手に力を込めて浩次を引

き寄せた。陽介の方が背が低い

分、上目遣いに睨む。