「俺、彼女ができたんだ」




嬉しそうにそう言う友人に、ま

わりの友人たちは冷たい視線を

おくった。

「・・・・・って、てめぇ! 自分

ひとり幸せになりやがって!!」

「何言ってんだよ。俺は友情を

大事にする男だぜ?」

そういいながらも、男はかわい

い彼女と撮ったプリクラをばら

まいている。

ああ、こんな男が傍にいたら本

当に嫌だ。

そもそも、自分の恋人の写真を

ばら撒くような事をするなんて

・・・・彼女が知ったらどんなに

嫌がるだろうか・・・。



陽介は、親友である浩次が浮か

れ喜ぶ姿をげんなりしながらみ

る。

「な、陽介」

そんなことは全く気が付かない

浩次は嬉々としていた。

「・・・・・・・何?」

陽介は憮然としてそう答える。


「今度さ3人で遊ばないか?」

「・・・・・・・・・・・・・・は?」

陽介は思いっきり顔を顰めた。

なんで恋人の間でお邪魔虫をし

なくてはならないのだろうか。

「・・・・・その、さ・・・・あいつが

お前にもまた会いたいって言

うんだよ」

「へぇ」

「駄目か?」

浩次が覗き込んでくるので、

陽介は思わず後ろにさがる。

だが友人である浩次の真摯

なだがどこか不安そうな瞳

に、陽介は胸の痛みを感じ

た。




彼が首を縦に振ったのは、そ

れからまもなくのことである。