教科書をさしだしたその人を見て、
あたしは声を失った。



「…あ」



そっ、そっ、その整える気のない
グッシャグシャな髪の毛!

そして、やたらしっかりしまった
そのネクタイ!

それから、そのやる気なさそうな
垂れたマユと目!


それからそれから、
その天使のスマイルは…!



「…ん?」



シ、シ、シマウマ先輩だぁー!?
うっそやったッァ!
てか転んだの見られたの!?
はずカシっ!!

でもでもでもー、
ワーイ!やっと会えたぁー!


でもあたし、名前知らないから
どうしていいかわからないぜーっ!