あたしの足の速さは
きっと驚異的なスピードだったに
違いない。




隣のコースを走っていて、
自信満々だったB組の
…えと、たしか、、小野妹子?

あ、卑弥呼?
とかなんとかいう名前の
ふざけたお嬢様キャラの野球部マネも
あたしのだいぶ後ろを走っていた。

他のクラスの女なんて、
もう見えないんじゃないかってくらい
後ろだった。





見てるか、シマウマ!
絶対に斎藤綾香より、
あたしの方が、いいに決まってる!





「姉御〜!」





…ン?



あたしは危うく
バトンを落としそうになった。

なぜなら、あたしのコースの先で
あんの池田智志が
大きく手を振っていたからである。


何でよ!?
お前、あたしとチーム違うだろ!



とか思いつつも
他の人が貰いにくる気配が全く無いので、
あたしは仕方なく
池田智志にバトンを渡した。





あたしと池田智志のチームが
ビリだったということは、
言うまでもない。