「あぁら赤田さ〜ん。」





グラウンドの中央についたとき、
隣に立っていた
姫カール(やりすぎ)の女の子が
腕をくんで偉そうにそう言った。

いわゆる、お嬢様キャラ。





「…どなたですか?」



「私?私はB組代表の『神楽坂卑弥呼』ですわ、どうぞよろしく。」



「偽名?」



「本名ですわ!」



「『ですわ』とか古いわね。」



「キャラ作りですわ!おっと口が滑った!…とにかく!アナタには負けないですわ!」



「なんでよ、あたしアンタに何かしたっけ?」



「私、野球部マネージャーですの!」



「へえ。」



「今、野球部はグラウンドの主権をサッカー部にとられ、狭い思いをしているのですわ!」



「いや、知らんよ。」



「赤田マキ!私が勝ったらグラウンドの主権を野球部にゆずりなさい!」





「いいわよ。」



「は?そんなあっさり?」



「うん、ワケわかんないし、今のあたしに勝てる奴はいないしね。」



「なんですって!」



「だってあたし、シマウマを捕まえるチーターだもの。」



「…ワケわかんないのはアナタですわ、赤田マキ。」





赤田マキ(15)
あたしチーター