あたしが入場門をくぐろうとした、
そのとき。





「マキちゃん!」





右側から、
あたしを呼ぶ声が聞こえた。





「あっ、シマ…島田、先輩。」





そう、あたしを呼んだのは
間違いなくシマウマ先輩だった。





「おうおう、マキちゃん選抜なんだね。」



「あっ、えっ、はい!一応そうです!」



「一応ってなんだよ。」





彼はけらけらと笑った。

シマウマ先輩の笑顔は
やっぱり最高だった。





「がんばってね!」





彼は親指をたててそう言った。



…古い!





けど、あたしには十分だった。
これなら一位も楽勝でしょ。

やっぱりあたしは、この人が好きだ!





斎藤綾香にも、
選抜リレーにも、
負けねえ!





「見ててください!マジで走りますから!」