「………結衣」


その声を聞くと
胸の鼓動が高鳴り心拍数が上昇する。


間近で聞こえる大好きな人の声。
ずっとずっと聞きたかった声。


なのに……素直に喜べない私が…憎い。


「…………………」


「結衣……待たせて悪かった…」


「……龍也さん………私……龍也さんに…合わせる顔ないの……ごめんなさい…」


シーンと静まり帰る部屋の中で
もう一人の足音が聞こえた。


嫌な予感がする…。