「き、キスっ?!私から?!」
「何度も言わせんな」
目を大きく開かせて俺を見るお前は
何一つ曇りのない目をしている。
宿に居た頃とはまるで別人みたいだな。
「龍也さんはズルイ…。私が出来ない事を知ってて言うんだから」
「出来ねぇの?なら、俺からの言葉は無しだな。言ってやらない」
「…ぅ〜……で、出来るもん。やればいいんでしょ?で、出来るんだから」
そう言いながらお前は
俺の傍へと歩みより目の前へ来た時
深呼吸をして俺を見上げた。
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