「ありがとう……ありがとな……結衣」


俺の胸の中で号泣する結衣の背中を
摩りながらホッとしていた。


お前が遊女をしていた事。

俺の親父とお前の両親が縺れ合い
命を絶った事。

お前の過去の記憶が一切ない事。

そして……。

まだお前は過去の傷を背負ってる事。


全部…受け止めるから。
これからは…
お前一人で抱え込むんじゃなく
俺に甘えて欲しい。


いつでも俺はお前の味方だからな。


まあ…ないとは思うが…。
もしも俺が…。
くじけそうになってしまった時は頼むな。


その時は…結衣。
お前の力を貸して欲しい。