「普通の生活をしているのね」

無断で、冴子はあちこちの部屋のドアを開けて確認していく

有栖川の部屋を見て

私の部屋を見て…

風呂場を見て、トイレを見て…

最後に居間に入ってきた

「どんな乱れた生活をしているのかと思ったけど…普通すぎて突っ込むところすらなくて残念だわ」

赤いスーツを着ている冴子がソファに座った

ミニスカートから白い生足が見えた

ストッキング…履いてないんだ

…って見てるところが、私、エロい

「私が何を言いにきたか…理解くらいはしてるでしょ?」

「はあ…旅行ですか?」

「旅行?
するの?
アナタたちが?」

あれ?

違うの?

「そう…だから2日間の仕事を空白にしろ、と
その旅行、おぼんとかにしてくれたらどんなに楽だったかしら?
世間では夏休みなのよ?
学生の生徒を獲得するのに、良い時期なの
それに予定だって何か月も前から立てて、生徒も募集して…ってあなたに言っても仕方ないけど」