家のドアまできて、がっくりと肩を落とした

「あら?
さっきまでのご機嫌はどうしたの?」

「えっと…だって…有栖川が家で待ってると思うと…」

「あら?
その胸、有栖川に見せたくて作ったんじゃないの?」

「まあ…そうですけどぉ
そうじゃなくて…高波計画が…」

「胸で押し切っちゃえばいいじゃない
谷間に顔を埋めたいなら、高波計画に目をつぶれって」

「脅すんですか?」

「べっつにぃ
時には取引も大切ってだけ」

冴子が意味ありげにほほ笑むと、ドアを開けて玄関に入っていった

「聖一郎さん、買物から帰って来たわよ」

すっかりラフな格好になっている有栖川が、居間のドアを開けた

冷たいクーラーの風が、気持ちよかった

私の顔を見て、微笑んだ有栖川の視線が下に動き…

そのまま固まった

ゆっくりと眉間が狭まって、難しい顔になっていくのがわかった

え?

あれ?

あれれ?

不満?