「あと…旅行の件なんだけど
行かないなんて言わないでほしいんだ
両親が、気にしてる
愛子のこと…だから…」

「ごめん、その答えはまだ出せない
ちゃんと有栖川と話してから、決めるから」

竜ちゃんがこくんと頷いた

「早めに答え、出してよ
じゃないと、僕が義母さんに嫌味をちくちく言われ続けるんだから」

「じゃあ
ぎりぎりまで、答えを出さないでいるよ」

私は意地悪な笑みで、答えた

「そうだ…なんで竜ちゃんはここに私がいるってわかったの?」

「小山内先輩に聞いた」

「聞いた?」

「うん
小山内先輩の情報収集力は素晴らしいから
5万で、愛子の居場所を見つけてもらった」

「ご…5万?
お金…とるの?」

「小山内先輩にしたら、ずいぶんと安い報酬料でやってくれたよ」

竜ちゃんがさらりと口にする

おお…なんて人なのぉ…