なに?

すっごい気になるじゃないのよ

「言ってよ、気になる」

「言ったら、一生、隣で寝かせてくれなそうだから…言いません」

有栖川のくぐもった声が聞こえる

私は布団をはぎ取ると、有栖川の上に乗った

「何よ! 言ってよ」

「怒らない?」

「内容による…けど」

「じゃあ、言わないです」

「極力怒らないように努力するからぁ…」

有栖川が目を開けると、がばっと浴衣の襟を大きく開けた

ちょ…な…何を!

…てあれ?

「ど…ど、どうしたの?
痣が…できてるじゃない」

「愛子さんがやったんですよ」

「え? 私?」

有栖川の脇腹に一つと、胸に丸い痣ができていた

「愛子さんが寝がえりを打つたびに、何かしら飛んでくるですよね
足とか、膝とか…肘とか…
股間にかかと落としをされたときは…死ぬかと思いました」

「え?」