「そんな約束、僕は了承してませんから
無効です」

「ええ?
だって一晩一緒に過ごしたのに?」

「あれは愛子さんが勝手に僕のベッドに来ただけでしょ」

勝手に…って失礼な!

ものすっごい緊張したんだからっ

何時間も何時間も、悩んでやっとの思いであのベッドに入れたのよ!

それを勝手に…って言わないでよ

「…なら、こうしましょう!
今晩、僕とエッチをする
僕が満足するまで、僕の部屋から出ない…で、どうです?
この条件を満たせれば、旅行は愛子さんが一人でも行っても良いとします」

有栖川がにっこりと微笑んだ

な…な、なんちゅう条件よ!

何、その一方的すぎる条件設定は…

おかしいでしょ!

もうちょっと私のことを考えた条件に…しなさいってば

「あの…もう少し…」

「駄目ですよ
絶対に、この条件でいきます
今晩ですよ
明日の晩では、意味がありませんからね」

「あ…明後日とか?」

「僕をからかってます?」

「いえ…真剣です!」

有栖川が『ぷ』と噴き出した

「今日の深夜0時まで…です
それ以降は、無理です」

む…無理です…とか言わないでよ!

私こそ…無理だってば…