「椅子とはつまり」

「理事長の椅子を君に用意するって言ってるんだが」


何でもないような顔して答えるパパ。


ちょ・・


「何言っちゃってんの!?」


いくらなんでも

理事長の椅子って!!



「それはひいおじい様の遺言と」

「子供は黙れ」



パパがギロリとあたしを睨む。



普段はいつも優しいパパなのに
そんな顔をされたのは初めてで。



あたしはつい言葉を失ってしまう。



恐るべしイケメンの睨み・・・



そこまでして


あたしと先生を一緒に住ませたいの?



「・・椅子ですか。分かりました。
それで手を打ちましょう」


先生もこれ以上パパとやり合うのは無駄と考えたのか
渋々承知することを選んだ。





「ごめんね、花」