「失礼しました!!」


ガラガラ!!

勢いよくドアを閉めて教室へと歩き出す。


本当にムカつく奴。

断って良かった。

かなり腹は立ったけど。


これであたしの一人暮らしは完璧。


パパとママには申し訳ないけど

先生と住むなんて

やっぱりあたしにはできない。



たとえ先生にどんな事情があっても。








「雨、すっげぇな」

お昼まではあんなに晴れていたのに


あれは嘘だったんじゃないかっていうくらい

今は外が真っ暗で


大粒の雨が地面を濡らしている。


「傘、持ってきた?」

「いや、お前は?」

「折りたたみがある。」

「さすが、花ちゃん♪」


菊池がパンっと手を叩いてあたしの肩を抱いてくる。


「一緒に帰んの?」

「俺を土砂降りの雨の中置いてくのかよ」

「はぁ~」

仕方ない。


「ほら、行くよ」


玄関でローファーに履き替えてバッグから傘を出す。

一応持ってきて正解だったみたい。


「にしても、すげ~な。こりゃ。」