「でも何?」

「菊池くん、彼女がいても大変みたいだよ?」


まぁ確かに・・

この前も告白されてたっぽいしね。


「仕方ないでしょ?それもアイツの運命」


あたしからしたらただのオトモダチだけど。


そう思いながらあたしの視線の先には
クラスの男子と戯れる菊池の姿。


こんなこと、絶対に口には出さないけど

本当は凄くいい奴。


一緒にいるだけであったかい気持ちになる。


だけどそれは恋じゃない。


・・残念。


「花もモテるし、二人並んでると美男美女だよ?」

「バカバカしい」


椅子に座りながら教科書を机の中に入れていく。


「そうそう、今日ね、担任休みなんだってさ。それで」



唯がそこまで言った時


ガラガラ!!


教室のドアが勢いよく開いた。


・・・チャイム鳴ったっけ?