もし

あたしと同じように相手がいたら・・・


分からない。

その先の事なんて分からないけど。


それでも・・・






校長室がある1階まで着いた時だった


ふと横を見ると


校庭に咲いている桜を見ている
一人の男の後ろ姿が目に入った。



少し距離はあるけれど
遠くから見ても分かる。



大きな背中

すらりとした長身。


黒のスーツを着た人は


間違いない。

あたしがずっと会いたかった人。

ずっとずっと今でも恋してやまない人。



方向転換をして一気に走りだす。





少しずつ傾いていく夕日が眩しい。


それはつい顔をしかめてしまうほど。


それでもその先に待っているあなたに追いつきたくて


必死に走る。