ぺこりと頭を下げて再び作業を再開しようとすると


「お見合いの相手ってどんな人なんですか?」

肘であたしの腕をつつきながらまたも近藤先生が聞いてきた。

どんなって


「いい人ですよ、とても」


そう

彼は本当に優しくていい人。

あたしには勿体ないくらいに。


「青山先生のお相手なんだもの。
さぞかしカッコいい人なんでしょうね」

興奮気味に話す近藤先生。

そろそろ仕事に集中したいんだけど・・


「あの」

そう口を開いた時だった。


「そう言えば、来月から田中先生の代わりに
入ってくる先生もイケメンだったな」


思い出したかのように話だす佐野先生に


あたしのイライラは更に上昇していく。


「えーそうなんですかぁ?」

目をキラキラさせて佐野先生に近付く近藤先生。


そりゃぁあたしと同期で

彼氏もいないんだから必死になってもおかしくないか・・



「さっきすれ違ったんだ。一緒にいた校長がすっげ~ご機嫌でさ。
名前まで教えてくれたよ」


「え~!!それでその名前は??」


無視するあたしとは関係なく弾んでいく話。


いい加減静かにしてくれないかな?


「確か名前・・黒崎裕也って言ってたな」


え・・?