「お前って理事長とも知り合いだったんだな」


ずっと隣が静かだったからもう先に教室に行ったと思ったのに。


すぐ横には腕を組んで何故か首をコクコク縦に動かしている菊池。



「まだいたんだ」


思った通りの事をそのまま口にしてみる。



「おまっ!酷すぎだろーーー?ってかさっきの質問の答え!」

「答えって?」

「理事長の知り合いっていうの」

「あぁ。うちの親戚みたいなものだよ。とても大事な人。」

「あぁ~それでか!!」


??

「それでって?」


コイツの言うことはいつもイマイチ理解に欠ける。


「お前がいつもテストの点数がいい理由だよ!
お前理数系苦手なはずなのに、いつもテストの点いいじゃん?
だから答えをこっそり」

・・・本当にこいつは


「あんたバカ?」



「バカって言った方がバカなんだぞ~!!」



付き合ってらんないよ・・


こんなのがテストで学年1位なんて信じられない。


おかげであたしはいつまでたっても2位のまま。



そんなやり取りをしながら


「おはよう」



教室に入りすぐに自分の席に向かう。


窓際一番後ろがあたしの席。

なかなかいい場所でしょ?