それほど家族は大切なものなんだって
あたしはいつもパパとママに教えてもらった。
「説教みたいな事言ってすみません。
でももし本当にやり直したいと思ってるなら、
先生を今度こそ幸せにしてあげて下さい」
これ以上一緒には居たくなくて
ぺこりとお辞儀をして店を出た。
「おい、花!!」
一緒にいた菊池が追いかけてくる。
先生
先生・・
先生。
ごめんなさい。
余計な事を言ってしまったかもしれないけど。
でも言わずにいられなかった。
先生を思うと
先生の今までの苦労を思うと
ああやって言うしかなかった。
外はもう真っ暗になっていて
ひっそりと空にでている月が
太陽の力を借りて光っている。
その周りにはきらきら輝く星達。
ここまで綺麗に見られるのは
きっと此処が静かな住宅街だから。
その道を
あたしと菊池は少し距離をおいて歩いてる。
最初に沈黙を破ったのはあたしだった。
「こんなに泣いたの、久しぶりだな」