「・・本当は好きな人の事考えてたでしょ?」

「はぁ?あたしが?何でよ」

「だって・・すっごく可愛い顔してたから」


最後の方はちょっぴり寂しそうな顔を見せる。


「別に・・あんたに関係ないでしょ?」

そんな顔したってダメなんだから。


「いるんだ、好きな人」


急に立ち止まって今度は真剣な顔であたしをまっすぐ見つめた。


そんな顔されたら


本気で言うしかないじゃない?



「いるよ、好きな人」



塚本の目を見て、そう答える。


「そっか。もしかして・・あの先生?」

「な、何でよ!!そんなわけないじゃない!!」

「ムキになるところが怪しい」



本当に何処まで知れば気が済むの?

だけどこれ以上は絶対に教えられない。

だってすっごく恥ずかしいから。



「お~い!!花!!塚本ぉ!!」


前の方で菊池が叫んで手を振っている。


「今行くよ!!」


大きな声でそう答えると急にあたしの手を握りだした。

ちょっと