コンコンっとノックをしながら
聞いてきたのはスーパーマン。
「いいよ」
スーパーマンはやっぱり此処でも紳士。
娘の部屋でもキチンとノックをして確認してくれる。
あたしの返答に少し時間をおいてからパパが部屋に入ってきた。
「久しぶりだな、花の部屋に入るのは」
確かに。
パパは年頃の娘の部屋に入ってくること
なんて全くなかった。
別にパパを入れるのがイヤなわけじゃない。
普通に仲良しだし。
でも多分パパもあたしに気を使ってくれてたんだと思う。
本当にどこまで完璧なんだか・・
「相変わらずキレイでしょ?」
こう見えてあたしはキレイ好き。
「いや・・キレイというよりは殺風景だな。女の子の部屋じゃない」
まぁ、本当は殺風景なだけなんだけど。
部屋に置いてあるのも
ベッドと机と本棚くらいで
可愛いぬいぐるみもなければ
カーテンもピンクじゃない。
女の子らしくなくて当然。
「でも花らしくていいかもな」
パパのこういうところ、凄く好き。
あたしはあたし。
他の子と絶対に比べたりしない。
「で、どうしたの?」
パパが何を言いにきたのか
大体想像がつくけど。
「今日のことなんだが」
ほら、やっぱり。