「ご馳走様でした。」 朝食を食べ終え、時計を見てみる。 10時を回った所だった。 たしか裕季くんの電車は10時半に着くはず。 あの駅から家まで一時間かかるからー…。 皆が帰ってくるのは11時半ね。 「何しようかな?」 何かすることを求めて、周りを見渡してみる。 いつも賑やかな家はしんと静まりかえっている。 広い家に、私一人だけ…。 時計の針の音がいつもより大きく聞こえる気がした。