「ねぇ、松川潤って人知ってる?お母さん。」




「松川潤?あぁ!お兄ちゃんの親友だった人よ。潤君がどうかしたの?」




「あのね、担任の先生だったの。」




「そうなの!!潤君先生になったの。担任の先生で良かったわね。」




「うん…」




私はその夜、夢を見た。




幸せだったあの日のことを。




「奏人ー待ってー」




「李音ー早く来いよ!!」




いつも追いかけてた。




奏人が大好きだった。




なのに…。




行ってしまった。




「奏人!何で…」




「李音…。またね。」




「行かないで!」




「すぐ帰ってくるから。」




そう言ってイギリスに行ってしまった。




それっきり14年も帰って来なかった。




連絡もなかった。




私は目を覚ました。




「何で今頃こんな夢見るんだろう…」




ってもう7時じゃん!!




遅刻だ。




「あれ?李音が遅刻なんてあり得ない!!。」




「寝坊しちゃった…」




「そんなことより、どうしたの?目が腫れてるけど。」




「亜里沙は気ずくの早いね。何にもないよ…」




「何にもないって…絶対何かあったでしょ。私達で良かったら相談乗るよ。」




「由紀有り難う。」




「あれ?もしかして松川先生のことじゃないの?」




「由紀何それ、私聞いてない!」




「実は…」






「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!先生に抱きしめられたぁぁぁ!!」