「…ふふふ」

泣いていると思った佳菜は笑っていた。

「あはははは」

「何が面白いのよ!」

「だって~誰も助けてなんか言ってないのに助けてさ~偽善者ぶっちゃって~~まじそういうやつウザいし~~~だから机落書きしちゃった~~ばーか」

「んじゃ~ばーいびー」

佳菜は上機嫌でスキップしながら屋上を出た。


裏切られた。


「…っははは」

「あほらしー」

気づけば頬を涙がぬらしていた。

ごろんと寝転んで、空を見上げた。

「雲になりたい」

そっと呟いた。


それから、私は何度も転校してここに来た。