ドン――。

突然あたしの肩に誰かがぶつかってきた。

「った……」

痛くもないのに、
あたしは顔をしかめて相手を睨んだ。


見慣れない顔……。

つか、初めて見る顔……。

あ、そういや、一ヶ月ぐらい前に、
三組に転入生が来たんだっけ。

こいつなんだ。


身長は一七0センチくらい。

いかにもモテそうな奴。

「痛いんだけど。」

あたしはハッキリと言った。

第一印象から怖がらせなきゃ。


彼は真顔であたしを見た。

あたしも負けなかった。

激しい睨み合い……。

「一組の『島村』って、あんたか。」

彼は対決を中断した。

いや、今度は『言い合い』という名の『対決』……。

「そうだけど。何か?」

「人のことなめんの、
そこそこにしておけよ。」

「はっ?」

「あんた、そのうち独りになるんじゃねぇの?

俺さ、近々学年全員連れて、おまえの敵になってやるから。」

「意味わかんないんだけど。」

「宣戦布告は以上だよ。気をつけな。」

「意味不明……」

「んじゃ。」

彼は片手をあげて、去って行った。