「ここが彼の家か……。」

テリーに案内され、
俺達はタムヒヘカセマガルの家の前に着いた。

「で、どうすんの?」

安藤が首を傾げた。

「ケータイを奪うチャンスはたったの一回です。」

「いつなの?」

「深夜。彼が眠りについた時です。」

「んな……何時間ここで待つ気で……。」

「しかたないじゃないですか。

寝静まった頃にケータイを奪うなら、
家に侵入しなくてはいけません……。

願いを拒否されているんですから、
合鍵を作ることも不可能。

侵入するには、彼が帰ってくるのを待つしかないんです。」

「なんか大変だな。」

いつか飽きてしまうのが目に見えてわかる。

でも、本当にもうそんなことは言ってられないのだ。