……安藤は……やめた方がいいかもしれない。

誘ってしまった俺がいまさら、となるかもしれないけど、
やっぱり人間がやるには危険すぎる。

記憶を消してやって、
そのまま藤野和人一筋のバカに戻してやった方が……。

「覚悟?

あるよ。

ケータイを奪うのは簡単じゃないってことと中国のライフプラネット人の一生を背負うことでしょ?

大丈夫。

あたし、逃げたりセコイことしたりしない。」

……そこまで……。

「あのさ安藤……」

「ライフプラネットに関連する記憶を全部消して、
日本に帰ってもらおうと思ってんでしょ?」

「……。」

「ヤダよ。

あたし、一度決めたことを変えるの、すごい難しいの。

受け入れたいけど受け入れられないが実は多くてね。」

「……。」

俺は戸惑った。だって人間なのに……。

「いいんじゃないですか?

やらせれば。

いざとなったら俺らが全力で守ればいいんです。

それに、誘ってしまったのに『やめてくれ』ってのは、
少し気分悪いですよね、安藤さん?」

テリー……。

「そのとおり。

それに、あたしのことなめないでおいてほしいしね。

藤野の役に立てるってこと……証明できる自信あるよ。

藤野に選ばれた人なわけだし。」

「……わかったよ。」