「ナルホド。

デ、キョウハドウシタノカナ?」

「この学校の四年生に転入生がいると聞いたのですが……」

「『転入生』?」

おじさんは首を傾げた。

先生にもわからない単語はあるらしい。

「えっと……新しく入ってきた……」

「『ニュースチューデント』です。」

安藤に負けた……。

「オォ、ナルホド。

テリー・グローガンクンノコトダネ。

アイニキタノカイ?」

「はい。」

「ジャ、ツイテキナ。」

……。

なんともあっさり。

まぁ、早いに超したことはない。


俺と安藤は日本語の先生についていった。

「チョットマッテイテ。」

「はい。」

俺らは教室の前で待たされた。

中はかなり騒がしい。

多分、休み時間なんだろう。

“Terry!(テリー!)”

おじさんは教室に入って、
怒鳴るような声をあげた。

“What?(何ですか?)”

なぜか、中から聞こえてきた声は俺の予想通りのものだった。

少し生意気そうな、男の子の声……。

“It is a visitor.(お客さんだよ。)”

“I will go.(今行きます。)”

中から男の子が出てきた。

「デハ、ゴユックリ。」

おじさんは行ってしまった。


なんとも厳しいこの三人……。