「カズゥ! おまえ、どこ蹴ってんだよ?」

コイっちぃの声でハッとした。


俺は今、グランドにいる。

今は日曜日で部活の練習で……。

そんなことを認識するのに十秒ほどかかった。

「……! んっ?

あ、わりぃ。

寝不足だ。

ヤベェな。試合近いのに。」

俺はなんとか笑顔を作った。


頭の中は、未来の四月のことでいっぱいだ。

……どうすればいい!


頑張って悩んでも、時間は流れていってしまう。

今回はタイムスリップはしないようにしよう。

それだけ決めた。