後ろから見る歩く姿は、モデルみたいに綺麗で俺の足は動き出し女を追い掛ける。





「大河…?」





やっと追い付き、肩を掴んで強引に振り向かせると怪訝そうな表情を浮かべつつ、俺の名前を口にする。





「あのさ、俺と割り切った関係にならない?」


「結婚してるんでしょ?」


「結婚はしてるが、俺の意思じゃない。相手の顔も名前も知らない。」


「へぇー……今日は帰りたくないの?」





妖艶に笑いながら言った女の言葉にハッっとした。





今日から一緒に住む事になっていて、既に俺の荷物は全て届いてる。





「後悔しない?」


「全くしないな。」


「ふーん…そう。じゃあ行く?」




俺が口を開く前に、女は歩き出していて追い掛ける羽目になった。




男連れでも相変わらず注目されていて少し優越感を感じる。





「代行頼んでいい?」


「車で来たんだ……私が運転するわ。」





そう言い、コインパーキングに向かい代金を払い、車のキーを受け取り女に渡した。





「この車でしょ?」