ステージ上でサプライズを待つ梨珠。





ホールの後ろの扉が開き、梨珠以外の全ての人はそれに目を奪われる。





ここにいる人達は驚き過ぎなのか微動だにしない。





女性の大半は声を出さぬ様に、口元に手を当てている。





俺と校長と一部の人しかしらない梨珠へのサプライズ。





教師達も知らない。





案の定、慎也は固まってる。





階段を降りて行き、ステージに上がって行く。





梨珠と向かい会うように止まった。





間には、マイクが置いてある。





「私の………可愛い梨珠。」





その声にピクッと反応する梨珠。





「西園寺さん、伊集院さん。目隠しと耳栓を取って下さい。」





これが、校長の合図。





その瞬間に周りからは驚きの声と歓喜が聞こえる。





目隠しと耳栓を外された梨珠は固まって動かない。





そりゃそうだろう……。





「梨珠……。」





梨珠へのサプライズは……。





「……マ…マ…?」





死んだはずの梨珠の母親…ソフィーさんだから……。