「卒業式は終わりましたが、3年間頑張った姫にご褒美をあげたいと思います。」





梨珠を除く生徒は全員知ってるから勿論みんな賛成した。





「では、姫を代表して……小野寺梨珠さんに受け取ってもらいます。」





ステージに再び呼ばれた梨珠は、目隠しをし、周りの声が聞こえない様耳栓をしてもらう。





何も知らない生徒達の家族の為に、両端と中央にある巨大スクリーンに注意が書いてある。





“校長の合図があるまで沈黙を続けて下さい。お願い致します。”





そう書かれた巨大スクリーン。





――――――――よかったな…梨珠。





絶対ビックリするぞ?





俺なんか夢でも見てるのかと思ってたよ。





金縛りにあったかの様に体は動かないし、声も出なかった。





頭ん中真っ白だったし…。




お前は俺以上に驚くと思うよ。





ただ……怒ったりすんなよ?





俺と梨珠を思ってくれてるんだから。





2人で生きて行けるか気持ちを知りたかったんだと。




―――――全くはめられたよな…。





大掛かりな事をしてくれたよな。正直参ったよ……。