姫達の出番は一番最後、とは言ってももうすぐ。





プログラムを見ると、姫達の曲名は載っていない。





知ってるのは吹奏楽部だけ。





「自信を持ってやれよ。」




スタンバイしている生徒に小声で言う。





極度の緊張で顔は強張り、体が震えてる。





前のクラスの演奏が終わり、カチカチに歩きながらステージに出て行く。





演奏、合唱を終えたクラスは達成感で満たされていていい顔をしてる。





演奏、合唱をしているクラスにとっては、ステージにいる時間が長く感じられるだろう。





聞いてる側からするとあっという間に終わってしまう。





本当にあっという間だ。





今、スタンバイしているクラスの次が姫達だ。





さすが姫とも言うべき、緊張していない。





本当は緊張しているのかもしれないが、いつも通りに見える。





姫は後ろにいる吹奏楽部と話してる。





俺から見たら、吹奏楽部の方が緊張している。





楽譜を読み返したり、指のチェックをしてる。